- 「黒にんにくがどこで生まれた食品なのか知ってますか?」
- 「昔は、そんな食べ物なかった気がするけど・・・」
黒にんにくは日本生まれの食べ物です。今回は、黒にんにくがどういった経緯で誕生し、そして拡散したのか。黒にんにくの歴史や発祥について勉強しましょう。
目次
にんにくの歴史・発祥はどこ?
にんにくは中央アジア原産の植物です。紀元前のエジプトでは、すでに栽培が行われていました。
当時から、にんにくの効能について知られていたようで、現存する最古の医学書にも薬として用いられていたことが記録されています。
- 紀元前のエジプトで、にんにくの栽培が行なわれていた。
日本には中国・朝鮮を経て4世紀頃に伝わったという説があります。古事記や日本書紀、また万葉集や源氏物語にもにんにくについての記述が存在します。
- 日本のにんにくの歴史は4世紀頃から
黒にんにくの歴史・発祥はどこ?
にんにくは長い歴史を持っています。しかし、黒にんにくは新しい食べ物です。黒にんにくは90年代後半から2000年代中頃に掛けて作られました。要するに、黒にんにくは誕生から十数年ほどの比較的新しい食品なのです。
黒にんにくの発祥地は三重県
黒にんにくの発祥地は三重県と言われています。にんにくというとやはり青森のイメージが強いので少し意外な感じがしますね。
更に意外なことに、黒にんにくのルーツは海女さんにあるようです。いったい「海女さん」と「にんにく」にどのような関係があるのか?
- 【海女さん】+【にんにく】=【黒にんにく】 なぜ???
実は、志摩地方の海女さんの間で、古くからにんにくが常食されており、漁に出る前にも体を温めておくためアルミホイルに包んだにんにくを炭火で焼いて食べていたそうです。こうした海女さんのにんにくから得た着想が黒にんにくの研究・開発に繋がったとのことです。
黒にんにくの構想自体は、90年代後半からあったようで、その後、三重県で2002年に企業などを交えた研究が行われ、2004年頃に現在の黒にんにくが完成したと言われています。
青森県で黒にんにく栽培が始まったのはいつ
こうして生まれた黒にんにくは、にんにくの一大産地である青森県でも生産されるようになります。青森県でも2005年頃までは三重県産の黒にんにくが一部に流通しているだけでした。
しかし、いくつかのルートを通じて三重県と青森県の企業間で交流や話し合いの場が持たれる機会があり、徐々に青森県の企業や農家にも黒にんにくというものが浸透していきました。
こうした中で青森独自の黒にんにくを作ろうという流れも生まれ、地元産の福地ホワイト六片種を使用した黒にんにくなどが開発されるに至りました。
今では、福地ホワイト六片種は黒にんにくの材料としても優れていると認知されています。青森県以外で作られる黒にんにくにも福地ホワイト六片種が広く採用されています。
黒にんにくの効果が世間に認知されたきっかけ
黒にんにくが青森県に伝わったのと同時期に、青森の企業から黒にんにくが大学の研究室に持ち込まれました。
黒にんにくの成分についての研究がなされ、動物試験の結果S-アリルシステインの抗がん作用などが判明します。この成果は新聞などのメディアに大きく取り上げられることとなり、黒にんにくが広く知られるきっかけになりました。
現在の流れ
現在では、黒にんにくはにんにくの活用方法のひとつとして広まっています。にんにくは様々な品種があり、日本全国でその土地に合った品種の栽培が行われています。そのため大抵の地域で直売所などに足を向ければ地元産の黒にんにくに出会える可能性があります。
また、一般の家庭においても我が家のように炊飯器を使った黒にんにく作りをしている人が増えています。要するに、黒にんにくは日本全国で広く作られているといっても過言ではないでしょう。
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海外の黒にんにく事情
黒にんにくは海外でも知られています。アメリカやヨーロッパのスーパーでも黒にんにくを取り扱っているところがあります。
海外での広がりについては韓国が関わっています。韓国は、にんにくの生産消費の多い国であり、また黒にんにくの生産も行っています。黒にんにくの推進に関しても国レベルで力を入れています。その結果が諸外国での黒にんにくの認知に繋がっています。
また、世界最大のにんにく生産国である中国でも黒にんにくの生産が行われています。他にもカナダ産の黒にんにくやハングル表記のアメリカ産黒にんにくも存在します。
まとめ
黒にんにくは2000年代の中頃に日本の三重県で生まれた食品です。その後、青森県へと伝わり日本全国で知られるようになりました。国内での認知度は一定水準に達したと言えます。
海外でも黒にんにくの認知度が徐々に広がっています。